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長谷研
All diseases begin in the gut

「全ての病は腸からはじまる」とは古代ギリシャの医師ヒポクラテスの言葉です。私たちは腸管免疫や腸内細菌に焦点をあて、腸からはじまる疾患形成メカニズムの解明を目指しています。

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近年、花粉症、食物アレルギー、関節リウマチ、炎症性腸疾患などの免疫アレルギー疾患の患者数が年々増加しています。これらの疾患には、腸内細菌や免疫系の異常が深く関わっています。またCOVID-19における重症化にも免疫系の暴走であるサイトカインストームが深く関わっています。 当研究室では、腸管を起点とした様々な全身性疾患の発症メカニズムを明らかにする研究、すなわち、『病は腸から』の分子機構の解明を目指しています。

​研究内容

腸内細菌や食事による免疫・代謝制御メカニズムの解明

パイエル板

ヒト腸管には40兆個もの細菌が棲息しています。このように、腸内微生物と宿主細胞が友好的に共存している状態を『腸内共生』と呼ばれています。我々は、腸内細菌や栄養シグナルが腸管免疫系に与えるインパクトと、その制御メカニズムの解明に取り組んでいます。

研究内容

  • 腸内代謝物による免疫調節機構の解明

  • 炎症や肥満を抑える新規代謝物の探索

  • 絶食によるリンパ球動態制御の解明

  • 腸内細菌を標的とした創薬展開

腸内細菌や腸管免疫異常による疾患メカニズムの解明

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腸内細菌の異常は、炎症性腸疾患、がん、肥満、糖尿病といった様々な疾患の原因となりますが、その病態形成メカニズムは不明です。そこで、マイクロバイオーム、トランスクリプトーム、エピゲノムなど各種オミクスデータの統合解析を通じて、『病は腸から』の解明を目指します。

研究内容

  1. 腸内細菌が胎児の発達に与える影響の解析

  2. 腸内代謝物による過敏性腸症候群(IBS)発症メカニズムの解明

  3. リーキーガットによるIgA腎症発症メカニズムの解明

  4. シングルセル・トランスクリプトーム解析による子宮免疫系の制御機構の解明

特殊上皮M細胞を起点とした微生物―宿主相互作用の解明

図3 M細胞.png

腸管や呼吸器の粘膜には抗原となる物質が大量に存在します。体内へとこれらの物質が勝手に入らないように腸管にはバリアが存在します。しかし、『M細胞』は逆に抗原を取り込むことで免疫を活性化します。この取り込み機構は、炎症やアレルギーと深く関わります。本研究ではM細胞の機能を明らかにし、免疫の制御機構の理解を目指しています。

研究内容

  • 花粉症における呼吸器M細胞の役割

  • 自己免疫性疾患の発症におけるM細胞依存的抗原取り込みの重要性

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